ビジネスや日常生活でもよく取り上げられる、行動経済学の主要な概念やバイアスをご紹介します。
主要な概念・バイアス
損失回避バイアス (Loss Aversion)
人は、同じ金額であっても「得すること」よりも「損をしないこと」を優先しがちです。
たとえば、「2,000円の得になる」より「2,000円を失わずに済む」ことを伝えるほうが安心感を与えることが多いです。
アンカリング効果 (Anchoring Effect)
最初に提示された数字や情報(アンカー)がその後の評価に強い影響を与えます。セールスで「まず高額商品を見せる→本命商品を見せる」手法は、このアンカリング効果を狙った典型例です。
現状維持バイアス (Status Quo Bias)
現在の状態から変化することを避けようとする心理傾向です。
たとえば、今の携帯プランに大きな不満がない限り、プラン変更やキャリア切り替えを面倒に感じてそのままにしてしまうなどが挙げられます。
確証バイアス (Confirmation Bias)
自分の信じている情報だけを探し、都合の悪い情報を排除してしまう心理現象です。
新商品の企画に対して「成功する」と思っていると、失敗例やリスクを軽視しがちになります。
ピーク・エンドの法則 (Peak-End Rule)
「体験のうち、最も印象が強かった瞬間(ピーク)」と「最後の瞬間(エンド)」が、その体験全体の評価を決めるという法則です。
顧客に対して“最後のひと言やサービス”を工夫することで、顧客満足度がぐっと高まります。
ビジネスや生活への活かし方
“ナッジ”による行動変容を促す
行動経済学の研究でよく使われる手法に「ナッジ (Nudge)」という概念があります。
ちょっとした選択肢の出し方や環境整備によって、人々の行動をより望ましい方向に誘導できるというものです。
(例)社員の健康診断受診率を上げるために「受診率が年々上昇中、今は80%!」など、ポジティブなメッセージを掲示します。受診が当たり前という空気が生まれ、さらに受診率向上につながります。
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商品・サービスのデザインや価格設定
アンカリング効果や損失回避バイアスを取り入れることで購入を促すことができます。
- 高価格プランを先に提示して割安感を演出する(アンカリング効果)
- 「この割引を逃すのはもったいない」というメッセージを打ち出す(損失回避バイアス)
組織・チームマネジメント
組織改革を行うときは抵抗感があります。「現状維持バイアス」を考慮して、小さなステップの導入やメリットを提示することが重要です。
「確証バイアス」による意思決定の歪みを防ぐことも大切です。意見が偏りすぎないように、第三者の視点を取り入れたり、あえて反対意見を述べる役割を設けるなどしてみましょう。
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